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学生時代、
ボロイアパートに住んでいた。
子供が死ぬほど嫌いだったから、
不動産屋に
「子供の声が一切しない、
墓場みたいな静かな場所ぎぼんぬ」
ということで探してもらったアパートで、
予算も二千円オーバーだったのに、
夜中に騒ぐ糞ガキがいる。
夜泣きだけじゃなく、
走り回ったりもしてるらしい。
それがどうも一階の端っこの部屋。
かなり高齢なおばさんの一人暮らしで、
どうも小さい子を産めるような年齢ではない。
だが孫にしては早いかな、くらい。
何回か不動産屋に文句を言ったが改善されず、
アパート住民も子供の声を聞いた人と聞かない人といるようで、
なんかはぎれが悪い。
そのまま契約更新しないで他に引っ越しして、
記憶の隅っこに放り込んであった。
その後十年ほど経って、
刑事さんが来た。
私の住んでいたアパートで嬰児の遺体遺棄があったらしく、
犯人はそのおばさんだった。
産んでは殺し、産んでは殺して、
数体衣装ケースに入れてたんだと。
同じアパートの住人が子供の声がすると騒いだことで喧嘩になって、
警察が来てわかったらしい。
もちろん、部屋の中には生きてる子供はいない。
たぶん、私の心の導火線がもう少し短かったら、
その発見者私だっただろうな、となんか恐くなった。
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