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俺が出入りの配管工から聞いた話。
「熱湯の通ってる銅管とか、修理するのが大変ですね」
っていう話の流れで、
「原発じゃないですが、蒸気とか漏電とか、危なそうですねえ」
「ええ。まあ、こういう家庭用の100Vだと、そうでもないんですがね」
と言って話し始めた。
昔、その配管工の同僚に、
Aさんって人が居たらしい。
ある時、
デパートなんかの大型の変電設備の近くで、
水道管の修理をしていた時に、
運悪く漏電事故が起きた。
「100Vやそこらなら、
手が反射的に痛みで離れるんですよ。
200Vになると手がくっつきますが、
周囲の人間が気が付いて、
蹴りでも入れれば助かりますね」
Aが遭遇した漏電事故は、
600Vとか800Vクラスの電圧で、
その配管工が言うには、
「吸い寄せられた」様に見えたらしい。
電流は頭から右半身を通って右足へ抜け、
幸いにも心臓は異常無く、命は助かったとの事。
しかし、頭部の右側をはじめとして、
電流の通った部位はかなりの火傷を負ってしまった。
「なんにせよ『命が助かってよかった』と言っていたんですがね…
火傷も快方に向かっていたある日、
Aは医者に言われたそうなんですよ」
医者曰く、
「貴方の頭部は、7割が火傷の為、
皮膚呼吸ができなくなりました。
恐らく余命は、10年といった所でしょう」
「Aはあと5年…あと2年…と言ってたんですがね、11年目に死にましたよ」
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