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【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

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【じわ怖】ボール

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兄が数年前、
高速道路でバイク事故を起こした時の話。

両足切断か死ぬかのどちらか、と宣告を受けたにも関わらず、
どうにか両足とも生足で残り、しかも死なずに済みました。

しかし受けた事故の衝撃で、
自制と痛みの神経が離れて、
わかりやすく言うと、
痛みを感じない暴力団風1歳児な感じでしょうか。

訳のわからない事を言っては看護婦を殴るは、
ぐちゃぐちゃの足で隙をみて歩こうとする。

家族で夜通し介護をすると病院に約束したため、
拘束されずに済んだ兄だったが、
こっちはとても辛い毎日を送ることになった。

ある夜、
歩かないように監視するため病院に泊まっていた時のこと。

個室の椅子で、
疲れから知らない内に寝てしまっていました。

ギィ

ベッドの音でハッっと目が覚め見ると、
暗い病室の真中でベッドの両脇の冊に掴まり、
両足膝下を左右くの字に曲げて、
立ち上がろうとしている兄がいた。

すぐさま取り押えてベッドに押付けようとしたが、
一点を見つめフーフー言いながら動こうとしない。

ナースコールもすでに兄によって隠され、
探している余裕はなかった。

とりあえずへたに動かすのもまずいと思い、
話をして落ち着かせようとした。

「どうしたの?何かあったら言ってよ」

そう言うと、

「ボールとれなかったから…」

と、いつもの寝言が始まった。

医者の話しだと、
常に寝起きの頭の状態らしく、
よくこんな事を言っていたから、
何も不思議じゃなかった。

「ボールなんてないでしょ?!どこにあるの?!」

そう聞くと、

「そこにあるだろ。はやくとれよ」

鳥肌が立った。

兄の目線を追うと、
床に緑色の小さいゴムボールが本当に転がっている。

「とれよ」

そう言われたけど、
とても取れる状態じゃなかった。

兄を押さえている為じゃなく、
そのボールの奥に、人の手と足が見えたから。

手と足先が同じ位置にあるわけないのですが、
何故かそう見えたんです。

とても振り返る事が出来なかった。と言うか、
体全体がひきつけを起こしたように、
震えていたせいもあった。

ふと兄を見ると、
目線がゆっくり移動している。

すでにボールの高さじゃない位置を、
左右にゆっくり目で追っている。

「あ…」

と何かを言おうとした兄に、

「だいじょうぶ、だいじょうぶだから」

そのときはとにかく何も聞きたくなかった。

徐々に何かが近付いてくる気配を背中に感じながら、
何かが見えないように反射的に目をパチパチしながら、
震えた手でコールを必死に探し、
ベッドの下に隠してあったコールを見つけた。

そして看護婦を呼び、兄を寝かせた。

「だいぶ疲れてますね、どうぞ休んで下さい」

と言う看護婦に、
違う意味で悪いと思いながらも兄を頼み、
病室を足早に退出しました。

その後は何も起らなかったけど、(たぶん)
こんな状態の人がぼけて語る話は、
全部が全部夢物語りじゃなくて、
何か理由があって語っている時もある事を実感しました。

怖いと言うか、
不思議な感じが残った体験でした。


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