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【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

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【じわ怖】竹やぶ

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友達Aに聞いた話。

Aはド田舎の病院で雑用をしているんだが、
ある日、病院に見知らぬおばさんがやって来たそうだ。

田舎なんで、
顔見知りでない患者さんが来ることなんてまずないらしい。

で、
医者が診察しようとすると、
とにかく言動がおかしい。

あなたは娘の目玉を取っただろうとか、
あなたの足は濡れていますとか、
支離滅裂な事を言う。

で、何が言いたいかよく分からないんだが、
どうやらその医者に文句を言いたいらしい。

それで、もてあました医者が、
Aに相手をするように押し付けたそうだ。

まあ、追い出しても良かったんだが、
あやしい事に首を突っ込むのが好きなAは、
とりあえずおばさんの話を聞くことにした。

Aは別室に案内しお茶を出したそうだが、
おばさんは腰を曲げて湯のみまで鼻を近づけ、
くんくんと臭いをかぐと、
プイとそっぽを向いて顔をしかめた。

そして、
やたらと両手で鼻のあたりを拭うような仕草をする。

それきり口をつけようともしない。

もうそのあたりで、
物好きなAのツボにはまったらしい。

で、話を聞き始めたんだが、
もう本当に何を言っているのかさっぱり分からない。

5秒もせずに話題が次々に変わる。

どうも、自分の娘が医者のせいで被害を受けた、
と言いたいのはかろうじて分かった。

しかし、
この前河原を通ったらフナが落ちていたとか、
さっきの看護婦は犬の臭いがするとか、
ほとんどは意味不明の話だった。

Aは段々おかしくなってきて、
つい吹き出して笑ってしまった。

すると、おばさんはキッとAを睨み付け、
ひじをちょっと曲げたまま両手を前に突き出し、
空中を引っ掻くような素振りを見せ、
そのまま走って帰っていった。

Aはしばらく笑い転げていたらしい。

さて、その日の仕事を終え、
家へと帰る道を車を運転して通っていると、
竹やぶの中を通る道に差し掛かった。

すると右手のやぶの奥で、
チラチラ光るものが見える。

Aは火でも燃えているのかと心配になって、
車を道に止め、やぶに分け入った。

山火事になると大変だからだ。

まだわずかに日が残っていたため、
薄っすらとだが足元は見える。

しばらく光の方へ進むと、
どうも火が燃えているのではないようだと分かったが、
今度は光が何なのかが純粋に気になった。

ふと気がつくと、あたりはもう真っ暗。

目指していた光もどこへ消えたか、
全然見当たらなくなっていた。

田舎の夜は暗い。

その日は月も出ていなかったのでなおさらだ。

身動きもとれない状態になって、
しばらくの間、途方にくれていた。

すると、少しづつだが暗闇に目が慣れてきた。

よかった、道まで引き返そうと足を踏み出した瞬間、
自分の正面、数十センチも離れぬ位置に人が突っ立っているのに気付き、
ギョッとした。

腰が抜けた状態になってしまったそうだ。

ライターを持っていることを思い出し火をつけると、
背筋が凍った。

20代半ばの女が立っているのだが、
両目とも白く白濁していて、
口をパクパクさせている。

そして何故か、
着ている服がAと全く同じなのだ。

上は茶色のジャンパーで、
下はアディダスの3本ラインの入ったジャージ。

服からは獣臭さがプンと臭った。

そこでいったんAの記憶は途切れる。

気がつくと、
病院へと向かう道を車を運転していた。

あたりは明るい。

わけも分からずそのまま病院へ着くと、
医者が朝食をとっているところだった。

「今日は早いなー」

と言われ、
Aはしばらくぽかーんとしていた。

どうも、気付かないうちに一晩たっていたらしい。

しょうがないので、
そのまま働き始めた。

すると、物を持つ時に、
両手が引き攣ったように痛む。

何故だろうと、手を見て吃驚した。

両手とも指と指の股の部分の肉が、
サイコロひとつ分ほどづつえぐられてなくなっているのだ。

それを見たとたん、
物凄い痛みに襲われて、
たまらず医者のところへ駆け込んだ。

治療してもらおうとすると、
おまえ唇どうしたんだと、
医者が驚いた様に言う。

鏡で見ると、上下の唇の肉が
くちゃくちゃに噛み潰されたような酷い有様になっている。

よく顔を見ると耳たぶも、
やわらかい部分の肉がほとんどえぐられて無くなっていた。

こちらも気付くと同時に、
凄まじく痛み始めたそうだ。

なんか尻切れトンボだが、話はここまで。

今のところ特に後日談もない。

おばさんにも竹やぶであった女にも、
その日以来一度も会わなかったそうだ。

このあいだ久しぶりにAと会ったが、
唇の傷はまだちょっと残っていた。

耳たぶはなくなったままだ。

Aは「狐に化かされた」などと、
時代錯誤なことを言っている。


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