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【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

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【じわ怖】彷徨える女

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私の父の知り合いの奥さんの話なのであるが、
この女性は長きにわたってある病気で苦しんでいた。

様々な病院を転院し、最終的に某病院で、
あるステロイド系の薬剤注射を用いた治療を受ける事となった。

この薬剤の効果は劇的で、
彼女の病状はみるみるうちに好転した。

が、治療を始めて数ヶ月が経った後、
彼女に異変が起こった。

彼女が奇妙な行動をとる様になった。

「自分の体じゅうに虫が這いずり回っている」

と叫んで体中をかきむしったり、

「部屋の隅に黒い小人が盆踊りをしている」

等と、意味不明なことを口走ったりした。

最後には

「ウガが追いかけてくる!ウガが追いかけてくる!
来るなぁ!来るなぁ!」

と叫んで、病院中を駆けずり回る始末。

ついに彼女は隔離病棟に移される事になった。

担当医師は、
こんな事になった原因が全くわからなかった。

が、1年後に驚愕の事実を知る事となった。

なんと治療に用いられていたステロイド系薬剤に、
『中枢神経に障害を与える、重篤な副作用を引き起こす危険性がある』事が明らかになったのである。

上記の事実が明らかになるまでの間、
ずっと投薬治療は行われ続けた。

当然。即刻、投薬は中止されたが、
既に彼女はその薬剤によって相当に精神を蝕まれていた。

その後の数年間、
彼女は幻視・幻聴に苦しむ事となった。

そしてある日、彼女は車で外出し、行方不明になった。

彼女の夫(父の知り合い)は必死になって彼女の行方を捜したが、
彼女は見つからなかった。

そして半年が過ぎた。

私の父と彼女の夫は釣り友達で、
釣り場へ向かうためによく横・横道路を利用していた。

久しぶりに静岡方面に遠出する事となり、
朝早く車で出発した。

車が横・横道路の横須賀側入り口に入るちょっと前の事である。

道が左右に分かれているのであるが、彼女の夫は、
見慣れた車が工事中の左手の道に止まっている事に気がついた。

「悪い。*ちゃん(私の父のニックネーム)。
ちょっと車を、左方向につけてくれないかなぁ?」

と、思わず口走ってしまった。

父は不思議に思いながらも、
車を左方向に向けて一時停止した。

彼女の夫は車を降り、
乗り捨てられた車のほうに歩いていった。

「おい!**ちゃん。どこ行くんだよぉ」

と父は声をかけたが、
彼女の夫の様子がただならない事に気づき、
後についていった。

呆然と立ち尽くす彼女の夫。

「この車、うちのだ…」

これを聞いてピンときた私の父。

まるで何かにとりつかれた様に先を進んでゆく彼女の夫。

後に続く父。

道は上り坂となって先に続いていた。

その先は旧阿部倉トンネル跡である事を、
まだ二人は知らなかった。

道はトンネル跡で行き止まりになっていた。

が、彼女の夫は進む事を止めようとしない。

「**が近くにいるかもしれない」

「まさか…こんな所に…」

と父。

「!」「?」

二人はほぼ同時に同じ方向を向いた。

ある方向から異様な臭いが漂っている事に気がついたのだ。

この時父は最悪の状況を想像した。

そしてその予感は見事的中する事となる。

彼らの十数m先にグレー色の何かが転がっていた。

すぐさまそれに向かって歩き出す彼女の夫。

が、その時。

耳をつんざく凄まじい音が響いた。

あまりの音の大きさにたじろぐ二人。

見ると、無数の黒い小さな虫の群れが飛び回っていた…

無数のハエの群れだった。

色がグレーがかっていたのは、
無数の蛆が死体をむさぼっていたからであった。

周囲には数個のポリタンクが散乱していた。

(焦げているものもあり、それは生々しい状況だったと、
後に父は私に語った)

絶句する二人。

ちなみに父は見事に腰を抜かしてしまった。

彼女の夫は呆然とするばかり。

とりあえず父が携帯電話で110番通報。

20数分で警察が到着し、
二人は事情徴収を受ける事となった。

刑事の話によれば、

「今年はこれで3人目です」

との事。

後に歯型及び血液型から、
遺体は彼女であることが確認された。

死体はかなりの程度で焼け焦げていた事から、
ガソリンで焼かれた事によるものという結論となった。

司法解剖及び組織検査の結果から、
彼女は生きたまま焼かれた事が明らかとなった。

遺書は見つからず、
現在でも自殺か他殺か不明との事である。

数年が過ぎ、ある若者たちの一団が、
旧阿部倉トンネル跡を肝試し走破するべく集合した。

この時、
参加者の中に髪の長いかわいい娘がいた。

野郎どもの目的は、
ここでいいかっこして彼女にアクセスするチャンスを作ろう、
という魂胆だった。

トンネルに入って数分後。

彼女は、誰かに見られている、
とても気持ちの悪い気配を感じ取っていた。

彼女は霊感の強いほうではない。

が、何かねっとりした視線が、
自分に向けられている事を感じていたのである。

「何か私…ちょっと気分が悪い…」

と、彼女がポツリともらした。

「大丈夫。大丈夫。何も起こりゃあしないって」

と男性参加陣。

「あたしも気持ち悪~い♪」

と女性陣。

「あ~そうかい。そうかい。お気の毒に」

「なによぅ。**ちゃんばっかり、信じらんな~い」

「うっせーなぁ(おまけどもが)」

「何ですって!」

ああ、また始まったかと、彼女はうんざりした。

が、その時。

「アナタキレイネ」

という声がまじって彼女の耳に入ってきた。

「!」

「気のせい、気のせい。早く出たいなぁ…こんな所」

と彼女は思った。

が、次の瞬間、

「アナタキレイネ…トテモキレイ…」

はっきりと分かる声が彼女の耳に聞こえてきた。

低く抑揚のない、
が、何か威圧感のある声が。

えっ?…私?

「ソウヨ…アナタ…アナタ…」

「!!!!」

「どうしたの?**ちゃん。びくっとして」

「ちょっと…あたし。何か変な声聞いたんだけど…」

「????」

「????」

「????」

「…(オイマジカヨォ…)何て?」

男の一人が尋ねた。

「あなた、きれい…だって」

「へ?」

場内大爆笑。

「**ちゃんって、意外と自意識つよいんだぁ♪」

と女性陣。

「違うよぉ。ホントに聞こえたんだってばぁ」

「脅かし方は下手だねぇ」

と男性陣。

と、その時。

ぺちゃっ…ぺちゃっ…ぺちゃっ…ぺちゃっ…ぺちゃっ…ぺちゃっ…ぺちゃっ…

何か、水が滴り落ちるような音が、
後ろから聞こえてきた。

それも、徐々に大きくなってくる。

「!」「!」「!」

そのうちその音は、
何か濡れているものを引きずっているような音に変わってきた。

「何か、私たちの後からついてきてる」

「おい、冗談だろ?」

「天井から水がたれてきているだけだって」

ところが、
メンバーの中で自称霊感のある男性(仮にAとしよう)は、
後ろを振り返って絶句した。

「お前ら!!走れ!!」

とAは叫んだ。

ただならぬAの様子に全員が浮き足立った。

「おい、何なんだよ?」

「何大きな声上げてんのよ!」

「いいから!走れ!」

ともかく一団は一斉にトンネル出口へと走り出した。

髪の長い彼女を除いては。

どうして?体が動かない!!

恐怖心のせいなのか、それとも別の何かなのか?

彼女は身動き一つ出来ない状態になっていた。

まさかこれって、金縛り?

やだぁ!こんなの!!

ずりゅっ…ずりゅっ…ずりゅっ…ずりゅっ…ずりゅっ…ずりゅっ…

音はだんだん近づいてきた。

おとうさん!おかあさんっ!と思った次の瞬間。

音はぴたりと止んでしまった。

…あれ??

あ、体が動く。

あれ??何で??

「アナタミタイナヒト…マッテタノ…ズットズットマッテタノ…」

すぐ耳元で声がした。

「きゃああああああっ!!!」

彼女は逃げ出した。

…が、出来なかった。

何者かが自分の髪を掴んでいる。

何?何?何何何何????

彼女が振り返った瞬間!

ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

凄まじい彼女の悲鳴が、トンネル内にこだました。

走っていた全員がその声に驚き立ち止まった。

「彼女…つかまっちまった…」

Aがうわごとのようにつぶやく。

「何につかまったんだよ!おい!おい!A!しっかりしろよ!!」

「あれっ?**ちゃん、いないよぉ…」

「!」「!」

「まさか…おい!おまえら、戻るぞっ!」

「おい…何だよ。見捨てる気かよ!お前ら!」

トンネル内を静寂が包んだ。

Aを含む数人の男性が来た道を戻って、
彼女を探すこととなった。

しばらくして、
懐中電灯の明かりが人影を捕らえた。

誰か倒れている…彼女だった。

「おい!しっかりしろっ!大丈夫かぁ!」

Aが彼女を抱き起こそうとしたとき、
手にヌルッとした感触が走った。

「?」

「何だこりゃあ…って、血??」

「おい!しっかりしろっ!大丈夫かぁ!」

「おい…A、彼女をよく照らしてみろよ…」

「!」「!」

「おい…これって…」

彼女は頭から相当量の出血をしていた。

倒れた時に頭を打ったのだろう。

が、彼女の頭には髪が一本も無くなっていた…

というより、
何かに根こそぎ引き抜かれていたのである。

絶句する彼らの頭上で、
抑揚のない声が響いた。

「ワタシ…ズットマッテタノ…ズットマッテタノ…
ワタシノカミ…モエテナクナッチャッタカラ…
ホシカッタノ…キレイナカミガ…ズットホシカッタノ…
コンドハ…アナタタチノ…ハダヲチョウダイ…
ハハハハダダダダヲヲヲヲチョウダアアアイイイイ!!」

彼らは彼女を抱え、
ほうほうの呈で逃げ出した。

この事があって以来、
髪の長い女性や肌のきれいな人がトンネルに入ると、
トンネル内を彷徨う何かに襲われる…
という噂が、まことしやかに流れている。


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