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ちょっといわくのあるアパートに住んでいて、
謎の怪現象諸々に悩まされてた頃の話。
自分の声やゲーム・DVDの声、
あるいはCDの歌など、
とにかく人間の声なら肉声・録音問わずいつでも、
その声に被せるようにして
ぶつぶつと暗い声で同じ言葉を呟く何かが部屋にいた。
初めの頃は本気で怖かったんで、
喋らなかったり、
スピーカーから音を流すのをやめてイヤホンつけたり、
とにかく部屋から声を排除しようと努力した。
そのうち疲れたんでやめた。
怖いけど実害なかったし。
その日は某サーキュレーションをかけながら
レポートに励んでいたのだが、
どうにもその復唱する声に違和感があったので、
耳を澄ませて声に神経を集中させた。
「(中略)らくしてちりっ、ちゅもやま……こ」
噛んでいた。
正しくは
『略してちりつもやまとなでこ!』なのだが、
声は曲が何度ループしても上記の箇所がうまく言えずに噛んでいた。
10数回を数えた頃、
やがて声は恥じ入るように小さくなっていき、
それ以来二度と聞こえなくなった。
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