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去年の8月くらいの話です。
当時浪人生で、
その日も自習室からの帰りでした。
その頃は勉強がうまく進まなくて、
ものっすごいネガティブになっていた。
本格的に志望校変更するべきかどうかとか、
とにかく落ち着いて考えたくて回り道をした。
いつもの道より何本か奥の、
工場沿いの少し薄暗い道を歩いていた。
歩けば歩く程に憂鬱になって
絶望的な気持ちになっていった。
だめくさい死にたい…とか思って
たぶん涙目になっていたその時、
「いたいいい……いたぁ…い…」
という声が前方から聞こえた。
ずっと俯いて歩いていたけど驚いて顔あげたら、
数m先の街灯の下に人がうずくまっていた。
「ええっ!!?」
と叫んでしまい、
気づいた相手が顔を上げた。
顔の左側が血まみれの女の人だった。
「痛いぃ痛いいいい」
とこっちに向かって呻いた。
「どどどうしたん¥#£%※」
もう何言ってんだかわからなかったと思う。
足がもつれながら急いで駆け寄った。
痛い痛いと狂ったように女が叫んで頭をふった。
血がピュンピュン飛んで来た。
「待って待って待って!!!」
と言って女の頭を両手で止めた。
血の割にそんなに深い傷じゃなさそうだった。
頭が動かせない女は
唸りながら左肩を掴んで来た。
「わかった待って待って!!寝て!!」
女を地面に押し倒す様に寝かせて、
腹部を見ると白いシャツが血まみれ。
うばぁあああぎぁあああと叫ぶ女の顔面を右手で押さえて、
左手でシャツをまくると
左下腹部に刺し傷みたいな真っ赤な血の沼があった。
羽織っていたカーデを腹に巻いて止血をした
もうさ…わかるよね。
おばけとかじゃなくて、
マジな怪我人だと思ってたんだ(´・ω・)
腹を止血した後に救急車呼んでさ、
待ってる間には女の人はもうおとなしく横たわってた。
「大丈夫だからね!すぐ来るよ!」
とか声かけてたら、
救急車がようやく来た。
立ち上がって救急車に手を降っていたら、
「あなた…マジメすぎね」
って後ろから女の人の声が聞こえた。
振り向いたら、
巻いてやったカーデごと消えていた。
救急隊の人には女の特徴を言われた。
この道では時々こうゆう通報があるらしい。
彼等も今までは信じ難いって感じだったらしいけど、
私の顔に飛び散った血を見て認めたみたいだった。
超余談だけど、
志望校は変えなかった。
この女の人との出来事で、
やっぱり医者になろうと思い直せたから少し感謝。
こんな私も今では医学生です。
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