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ずいぶん前の話になるが、
友人の部屋に“出る”って噂が仲間内で広まった時期があった。
話を聞くと、
誰もいないはずの台所に女の影が見え、
寝ている時に足を引っ張られるんだとか。
で、皆で雑魚寝すると、
起きたときには全員の足が
台所の方に向けられているというものだった。
ある日、
俺も含め5人で噂の友人の部屋に泊まることにした。
酒を飲みつつ怖い話をしたりしてムードを高め、
わざと皆バラバラの方向に足を向けて寝ることにした。
恥ずかしい話だが、
俺は足が強烈に臭かった。
皆に
「くっせぇくっせぇ」
言われ、
渋々部屋の隅で壁に足を向けて寝た記憶がある。
朝になり起きてみると、
「夜中に誰かが足を触った」
とか、
「人影を見た」
とか皆が言い合っていた。
一番最初に起きた奴が、
「起きたら皆同じ方向に足が向いててびびった。
M(俺)以外は」
と言われ、
俺はその時、
自分だけ取り残されたような寂しい気持ちになったのを覚えている…
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