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【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

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【じわ怖】北になる

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島つながりで四半世紀近く前の話を。

はじめに書いておくと、
私はいわゆる美人ではありません。

取り柄も別になく、なんの霊感もないし、
唯一それっぽい(?)のは異常にトイレをきれいにしたがるところくらい。

そんな不美人で零感な私が小さい頃、
なぜか海の神様の子供(?)に気に入られて、
生け贄的なものにされそうになったことがありました。

父の実家の漁村での話です。

父の実家の漁村の沖には、
海の神様がいる島(江ノ島くらいの大きさで当時は人も住んでいました)があって、
私はそこで二度迷子になったそうです。

一度目には海神を祀る海蝕洞で見つかり、

「お兄ちゃんに遊んでもらった」

と言ったとか。
二度目には見知らぬ若夫婦が私を家まで送ってきて、
祖母が私を家に入れてからお礼をしようと外に出たら、
若夫婦はいなくなっていたそうです。

その若夫婦の奥さんの方が、
数十年前に村で行方不明になった女の子に似ていたらしく、
(生きていれば古稀近いはずで、年齢が合わないですが、
あの世の人になると年をとりにくくなるみたいな理屈でしょうか?)

若夫婦の旦那さんは海の神様、
奥さんは行方不明の女の子、
そして海蝕洞で私と遊んでいた「お兄ちゃん」は
海の神様の子供ではないか、という話になったとのこと。

その島にいる海の神様は亀の神様だそうで、
昔いろいろあったみたいですが、
詳しくは知りません。

とにかく人間の娘を嫁だか生贄だかに捧げることで、
船の安全とか、豊漁とかのご利益をくださるらしいです。

神様に娘を捧げることを
「北になる」とか「北にする」とか言って、
私の考えでは、北枕、つまり死んでしまうんだと思うんですが、
前に北になった娘さんは、
ある日ふらりと「海に行く」と言って
出かけたまま行方不明になったそうです。

でも誰かが北になるとご利益が期待できるらしくて、
網元さんが祖父母に、

「○○ちゃん(私)はいずれ北になるだろうから、
そのためにもこの家(祖父母の家)に引き取れないか」

みたいなことを頼みにきたんだとか。

「○○ちゃんも北になれば不自由ない生活ができる」

と言われて、父が

「不自由させてるつもりもさせるつもりもない」

と追い返したそうです。

母に当時の話を聞いたら、
なんと網元さんは

「結納と思って」

と500万円を提示してきたらしく、

「いくら積まれても娘を渡したりしないけど、
それにしてもたった500万円で娘を寄越せなんてお笑いだ」

と母は言っていました。

祖父母の勧めもあって、
それ以来父の実家へは行っていません。

でも、ときどき思うんですが、
網元さんに義理立てしないといけない関係の家だったり、
娘さんに不自由させてしまう生活の家だったり、
何かの事情でどうしても現金が必要だったり、
そういう家だったら娘を捧げちゃうこともあったんですかね。

それがほんのり怖いです。


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