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とある放課後、
私は友人Kと共に図書室で勉強していました。
司書の先生は用事なのか部屋を出て行き、
図書室には私達だけ、静かな状況でした。
お互いノートに視線を落とし勉強の手は休めず、
向かい合って座りひそひそ声で話をしていたのですが、
Kの返答がなく会話が途切れた数秒後、
いきなりKは
「うぅん~~~~~~」
と抑揚のない、
間延びした変な声を出し始めました。
私が驚き顔を上げると、
Kは白目をむいてこちらを見て(?)います。
ぎょっとして固まっていると、
Kはガクン!と音がしそうな勢いで首を項垂れ、
起こし、のけぞり、起こし、
今度はラジオ体操の首運動のようにゆっくりと首を右回し、
左回しし始めました。
目はずっと白目で口は半開き、
「あ~~~~~う~~~~~~ん~~~」
とか唸り続けつつ、
肩までの長さの髪はバサバサと音を立て踊っています。
(ひぃー、な、何かにとり憑かれたんか?!)
私は体がこわばって声も出せず視線も外せず
Kを見つめていました。
Kは恐怖に打ち震える私をよそに、
白目をむいたまましばらく同じような行動を繰り返した後、
糸が切れたように頭から机に突っ伏しました。
「ゴン!」
思い切り机に額を打ち付けた音がしました。
私ははっとして
「K…大丈夫…?」
恐る恐る声をかけると、
Kは勢い良く身を起こし一言、
「あー…めっっちゃ眠かった…!ていうか寝てた…」
聞けばどうやらKは今まで必死で眠気と闘いつつ
私との会話を続けていたつもりらしい。
無駄な抵抗はせず
寝てくれててよかったのにと心底思いました。
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