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中学生の時の事です。
夏休みのある日、
お菓子買いたさに家中のタンスや水屋の引出しを漁って、
小銭は無いか、と探していた事がありました。
しばらく探したら、
水屋の引出しから一枚の写真が出てきました。
それは、何年か前に亡くなった、
祖母の葬式の祭壇の写真でした。
「なんで、こんなものを写しているんだろう…」
と、いぶかしくも、
その写真をしげしげと眺めてみると、
祭壇中央に祭ってある丸い鏡の中に、
何か写っているのが見てとれました。
(うちの家は神教なので、鏡を祭壇に飾る)
それは、毛糸の帽子を被った、
祖母の顔そのものでした。
婆ちゃん子で、
可愛がってくれた私の、浅ましく、情けない姿に、
亡くなった祖母が戒めのために出て来てくれたのかな、と思うと、
なにやらもの凄く申し訳ない気持ちになってしまい、
小銭は諦めました。
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