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先日、骨董市に行った時、
あるブースを通りかかったときに小耳に挟んだ会話を。
メモしたわけじゃないから一字一句同じ訳ではないんで、
そのつもりで聞いてね。
「○○さんとこの奥さんも癌で亡くなったと」
「そうか確か××さんの主人も癌だったな」
「人形を扱う店の人間には癌が多いよな」
「やっぱり何か吸い取ってるのか、人形の出入りすると」
しばらくの沈黙の後、
「そういや少し前に、
□□さんが新しく店を出すのに品物が足りないからって言ってきて、
何点かまわしてやったんだ」
「ふんふん」
「しばらくしてから□□さんが、
その内の一つの人形を返してきてな」
「なんで」
「なんか気持ちが悪いんだと。
それにその人形を店に出しておくと、
客がぱったり入らなくなったって言うんだよ」
「ほんとか」
「俺は人形に傷でもつけて、
それで難癖つけて返されたのかと思ってな。
だからよく調べたんだが、傷も何にも無かった。
それでも気味が悪いんで、
見えるっていう人に見てもらったんだよ」
「なんだって」
「その人形は売られたくないんだと。
だから客が来ると売られると思って、
客をみんな追い払ってるんだと」
「・・・・・・怖いな」
「人形は怖いわ」
以上、品物を見る振りをしながら耳をダンボにして聞いたお話でした。
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