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友人の話。
山道整備のボランティアに参加した際に、
不思議なものを見たという。
仕事が終わり、
夕暮れの山道を仲間たちと帰る途中、
行く手から何かが現れた。
火の玉だ。
薄暗い中で、明るく輝きながら、
こちらへ宙を滑るように近よってくる。
驚いて様子を窺っていると、
火の玉は彼らのすぐ横を何事もなく通り抜け、
そのまま山頂の方へ流れていったという。
「擦れ違う時にはっきりと見えたんだけどさ。
火の玉の中で、でっかい蜥蜴が動いてた。
苦しんでいる風じゃ全然無くて、
平気な顔で足を進めてたなぁ」
仲間の内に地の者がいて、
次のことを教えてくれたという。
「山蜥蜴、もしくは蜥蜴火だとか、
そう地元で呼ばれている代物だったらしい。
あまり縁起の良いモノではないから、
無視しとけって言われたよ」
彼は最後に、
こんなことを言いながら笑った。
「火の玉だってのに、
狐じゃなくて蜥蜴っていうのが珍しいよな」
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