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知り合いの話。
彼の実家は奥深い山村にあり、
多くの鶏を飼っている。
ある朝、鶏の数が増えている事に気がついた。
よくよく見ると、
見覚えのない黒い鶏が一羽、
群れの中に混じっている。
羽がかなり小さい、
不格好な姿形の鳥だった。
飛べないところを見ると、
鶏に似た鳥なのだろうか。
一寸だけ儲けたような心持ちになり、
一緒に世話をすることにした。
しかし彼は結局、
その鳥をしばらくして山に放したのだという。
「餌やっている内にどんどんと大きくなって、
他の鳥が怖がるようになった。
それなのに、羽だけは逆にどんどん小さくなっていってさ。
おまけに尻の羽が、
まるで尻尾みたいにずーっと伸び続けちゃって。
追い出す時には、
もう鳥なのかどうかもよくわからん風貌になってたよ」
家族皆が
「アレは良くないモノだ」
という意見で一致し、
捨てることになった。
以来そこの家は、
飼っている鳥の数に神経質になっているという。
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