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知り合いの話。
彼女は女子高生の頃、
通学に私鉄を利用していた。
沿線上に大きな神社があるそうで、
巫女さん姿の女性と乗り合わせることも偶にあった。
その内何人かと顔見知りになったのだが、
彼女たちから不思議な話を聞かされたという。
巫女さんたち曰く、
この支線で山間の部分を通っている途中、
誰にも見覚えのない駅が現れることがあるのだとか。
その駅は、
真っ暗な山の中に忽然と姿を現すらしい。
汽車はその駅を通り過ぎることがほとんどだが、
稀に停車することもある。
駅舎や施設はごく普通に見えるのだが、
どこを捜しても駅員や客の姿は確認できない。
駅名は毎回変わっているそうだが、
いつの時も、すべて平仮名のみで記されている。
開札口から山奥へ続く細い道が覗けるだけで、
他には何も見えないのだと。
神社関係者の間では
『お狐さんの駅』と呼ばれていたそうで、
「そこで降りてはいけない、帰ってこられなくなるから」
と言われていたという。
彼女はその駅を見たことはないそうだが、
それでも夜遅くその山間を走っている時は、
どこか不安だったのだそうだ。
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