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アメリカで聞いた話。
彼はインディアン保留地で医師をしている。
暖炉用の薪を拾うため、
よく山に入っているのだが、
それを知った住民から一風変わった注意をされたのだという。
「常緑樹の森の中で、
一ヶ所だけ木が枯れている場所があったら、
そこは避けるように。
そこには『枯れ木の巨人』が居るのだから。
その枯れ木は巨人の住処だから、周りを彷徨いていると、
木の幹で殴られてしまう。
近よらなければ、手は出してこないから」
そこで医師は神妙な顔になって、
こう述べた。
「おとぎ話みたいなものだと思っていたんだけどね。
前に一度だけ、そんな枯れ木の側で、
何かにぶつかったことがあるんだ。
怪我とかは大したことなかったけど、
これが何にぶつかったのか、全然姿が見えなくて。
まさに見えない大木の幹にでも衝突したような、
そんな感じだったんだ」
巨人を信じる訳ではないが、
あれ以来、そのような枯れ木には近よらないのだという。
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