FC2ブログ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

ホーム > じわじわ来る怖い話 > 【じわ怖】猿酒

【じわ怖】猿酒

スポンサーリンク



杣人に聞いた話。

仕事についてまだ間もない頃、
山の中で酒の匂いを嗅いだという。

鼻をひくつかせながら匂いを辿ると、
やがて液体を溜め込んだ木の洞を見つけた。

指に漬けて、
恐る恐る舐めてみる。

「酒だ。こんな所に酒が出来てる!」

手で掬って一口呑んでみた。

美味い。

先輩の杣へ伝えに行くとこう言われた。

「一杯おこぼれ与ったんなら、
それで終わりにしておけ。
それは猿酒といってな、
この山の猿が拵えてるって話だ。
猿は猿でも、大物の猿神様だ。
ちょっとなら目こぼししてくれようが、
大っぴらに盗ると罰当てられるぞ」

諫められはしたものの、
あの味が忘れられず、
帰り際にもう一度寄ってみた。

記憶にあった部分の木には肉が盛り上がり、
洞は綺麗に失せていた。

「俺が酒好きなモンだから、
猿神様が自慢がてら一杯奢ってくれたのかな。
畜生、もう一口呑んどきゃよかった」

そう言って残念そうに、
しかし嬉しそうに彼は笑っていた。

噂では今でも時折、
御裾分けに与る幸運な杣人がいるという噂だ。

下戸である私に酒を語る資格はないかもしれないが、
そんな場所にある液体を平気で口に含むという彼らの行動は、
どう考えても理解不能である。


関連記事

スポンサーリンク

コメントの投稿





この記事のトラックバックURL
http://jiwakowa.biz/tb.php/3624-abe4207b