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【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

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【じわ怖】わいら

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友人の話。

学生時代、盆に実家へ帰省した時のことだ。

そこは鄙びた山里で夏でも涼しく、
避暑にはうってつけの場所らしい。

祖父母の世話になりながら、
例年の如くノンビリと過ごしていたある日。

里の外れに人集りが出来ていた。

「どうしたんだろう?」

と好奇心を引かれ、
近くへ寄ってみたという。

事情を聞くと、
里で一番の大木に、
何物かが引っ掻いた痕が付いているとのこと。

指差す所を見ると、
確かに大きく抉れた傷が、
木の幹に刻まれている。

どの傷痕も、
人の腰高くらいの位置に付いていた。

「熊でも出たんですか?」

恐る恐るそう尋ねてみると、

「いや、これが爪の痕だとすると、
熊よりずっと大きな何かだ」

という返事。

驚いて他の里人たちの顔を見回したが、
皆同じ意見のようだ。

彼の表情を見た近所の小父さんが、
安心させるように肩を叩いて教えてくれた。

「心配するな、
ここの里じゃ偶に現れる傷でな。
爪の主はこれまで人に目撃されたことも、
危害を加えたこともない。
人を避ける性質みたいでな、
正体は誰にもわからんのよ」

集まっていた人も恐れている様子はなく

「随分と久し振りに出たな」

という感じで、
傷痕を前に四方山話に耽っていたのだそうだ。

その内に一人がこんなことを宣いだした。

「前に学校に来ていた、偉い先生がこう言っとったぞ。
これは『わいら』っていう動物が付けた傷だろうって」

一同感心した風になり、

「流石に街で勉強した人は違うな、よく知っとるわ」

「わいらか、さぞかし大きな爪を持っとるんだろうなぁ」

そんなことを口々に述べていた。

……その先生って、
水木しげるの妖怪本に詳しい人だったんじゃないかなぁ……

友人はそんなことを考えたが、
口に出して言うこともなく、

「凄いですねぇ」

と一緒になって騒いでいた。

その後も里帰りはしているが、
あの傷痕はあれから出ていないという。

わいらを目にした者もいないのだそうだ。


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