【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

ホーム > じわじわ来る怖い話 > 【じわ怖】風文

【じわ怖】風文

スポンサーリンク



昔、聞いた話。

舞い落ちる雪の粒の中に、
極くまれに、木の葉型のものがある。

それを風文と言う。

風文は、人肌に触れ、融ける瞬間、声になる。

それは、山で遭難した人の今際のきわの言葉。

はからずも死者となり、
魂は黄泉路を、
身は山路に留まらざるを得なくなった者を、
雪様が憐れみ、近しい者に届けてくれる便りだ。

雪様の姿は千差万別。

ただ、いつも足元に白い仔兎が遊んでいるらしい。

それで、風文を貰った人は、
かぼちゃ程の小さな祠を作り、
中に小さな雪兎を祀る。

お供えは、熊笹の上、
胡桃の殻の片割れにお団子、
もう半分にお酒を上げる。

話してくれた夫婦は、
ご主人のオーバーの袖口に付いた風文から、
確かに息子の声を聞いたと言う。

“ごめん、春にはきっと帰る”

その言葉どおり、
翌年の春の終わりに、
彼は山から帰って来た。

以来、風文は来ないが、
息子の命日には、
庭に小兎のちょこなんと納まった祠が作られる。


関連記事

スポンサーリンク

コメントの投稿





この記事のトラックバックURL
http://jiwakowa.biz/tb.php/3297-2c1d38d7