【じわ怖】じわじわ来る怖い話まとめ

【じわ怖】じわじわ来る怖い話をまとめました!サラッと読めるものの実際起こってしまいそう、後味が悪い、人間が怖い。ふとした瞬間に思い出してしまい、じわじわと来る感覚をお楽しみください。

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【じわ怖】嫉妬深い奥様

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去年の初夏、
母と海外旅行をした。

滞在先は母の旧友夫婦のお宅。

しかし、
数年前に大変仲のよかった奥様を亡くされたご主人の方は、
遠い異国の地で一人ぽっち、

かなり気落ちしているとのこと。

少しでも気分転換になればと、
母と他の友人数人で、
期間を置いて入れ替わりお邪魔するという計画がたった。

1番手が母。

一人で行かせるのも心配だし、
わたしのほうも同じ地域に偶然友人が居たので母に同行した。 そのお宅では、
かつて奥様の部屋だった素敵なベッドルームをお借りして、
10日間も滞在させていただいた。

部屋に飾られた、
元気だった頃の奥様の、
とても綺麗に笑っている写真が印象的だった。

滞在3日目、
奥様のお墓参りをさせてもらった日の夕食、
お酒のまわったご主人が冗談まじりに母を口説いた。

子供たちもとうに独立し、
寂しかったのもあったのだろう。

もちろん笑って流す母。

夜も更けたので、
それぞれベッドルームに戻った。

先にバスルームを使い、
さっぱりして出て来たわたしに母が苦笑しながら、

「あんたがお風呂に入っている間、
マリコちゃん(奥様・仮名)の写真が何度も倒れたのよ。
偶然だと思うけど、
なんだか焼きもち妬かせちゃったみたいに思って、
誤解だから、自分は全くその気ないから、と謝ったの。
そしたら倒れなくなったわ」

と。

恐がりの自分を母がからかったのかと、
はいはいと笑って聞き流した。

それから2日後、
自分は友人と再会し観光がてらたっぷり遊ばせてもらった。

夕方になって友人が車で滞在先へ送ってくれたので、
母があがってお茶でもと誘ったのだが、
友人は遠慮して帰って行った。

スレンダーでその国での生活も長く、
英語もバリバリ、
なのに所作が優雅で柔らかい友人に、
母が

「まるでヅカ出身の女優さんみたいにかっこいいわね~」

と感心する事しきり。

夕食時に母が、

「スレンダーで、ホントにとても素敵な方だったわねえ。
あんた(ご主人に)紹介してあげなさいよ、
お友達になってもらえばどうかしら」

と言い出した。

まんざらでもないご主人。

密かに焦る自分。

とある理由で友人をご主人に
(そう言う意味では)紹介することが出来ない。

「彼氏がいるらしいから」

とごまかし、

「残念だけど、そんな素敵な人なら当たり前だね」

とその場は終わった。

その夜、
母がバスルームを使っている時、
マリコさんの写真が倒れた。

一瞬ビビるが、
まさかなあと立てかけ直す自分。

数分後、また倒れる。

正直ちょっと泣きそうになりながら立てかけ直し、
倒れないよう支えもしっかりとセット。

…数分後、また倒れた。

静かにパニックの自分。

仕方がないので覚悟を決め、
誰にも言うつもりのなかった友人の秘密をつぶやいてみた。

「マリコさん、心配しないで。
実は今日会ったわたしの友人、男性なの。
趣味が女装だと言うだけで、ちゃんと奥様もいるし、
ゲイでもトランスジェンダーでもないから、
紹介なんてそもそもできないの。
ご主人とどうこうって、ホントあり得ないから」

写真はそれきり倒れる事はなかった。

帰国するまで母と2人で、
朝晩マリコさんの写真に挨拶を続けた。

それきり一度も倒れなかったということは、
きっと機嫌を直してくれて、
嫌われないで済んだのだと思う。


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